インターンシップについて、EDGEではエアリーフレッシャーズご利用企業様のインターンシップ設計をサポートしています。こちらのコラムでは、インターンシップ設計の参考事例として活用できる各社の取り組みを紹介します。
【前回コラム】インターンシッププログラムの見せ方にも一工夫を
今回ご紹介する企業は、インターンシップからの母集団形成を見える化することを実現し、採用成功に導いた事例です。
インターンシップ開催に取り組む企業の現実
インターンシップは、学生の就業力醸成と社会貢献を目的に開催されます。しかし多くの採用担当者の想いは、早期に自社が求める優秀な学生と接触し、採用へ繋げたいというのが本音です。本音と建前が交錯する複雑な状況ではあるものの、インターンシップを通じて自分自身にマッチングした企業と出会い、就職を決めることは学生にとっても大きなメリットがあります。
そんなインターンシップの定義が、2025年卒以降で大きく変わります。これまでは、「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方(通称:三省合意)」によって、インターンシップを通して得た学生情報を、採用活動に利用できませんでした。しかし、22年4月に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会(通称:産学協議会)」で、一定の条件を満たした場合、学生情報の利用が可能となり、三省合意も改正されています。この改正により、25年卒以降の「インターンシップ」が新しく定義され、一定の基準を満たす内容のインターンシップを実施することで、学生情報を採用活動開始後に活用できるようになりました。
売手市場化が進む昨今、冬からのインターンシップだけで自社の求める人財を獲得することは難しく、いつどのタイミングでインターンシップを開催するべきか、模索する採用担当者が増えているのが実情です。
インターンシップ参加からのエントリー数を明確にすることが成功の鍵
今回紹介する企業では、夏のインターンシップに参加した学生を翌年の選考に参加させることに成功しています。その結果、3月以降に開催する自社説明会や合同企業説明会の回数を減少させ、マンパワーと採用コストの削減を実現しました。
ポイントになるのは、エントリー予定者数の予測、つまり確実に票読みできる仕組みづくりです。インターンシップ期間に接触した学生が100名いても、自社説明会に参加するのは10名程度という企業もあります。もちろん、インターンシップの内容やプログラムによる満足度でエントリー者数は増減します。どれくらいの学生がリピーターとして自社へ戻って来るのか、今までの経験と勘に頼り、一か八か運次第というケースが増えているのが実情です。
こちらの企業では、インターンシップ終了後に次回インターンの案内や企業情報の配信など、定期的に学生へコンタクトすることを続けています。そうすることで、リアクションのあった学生をピックアップし、リピーター数を予測します。1回目のインターンシップに参加した学生50名のうち20名がノーリアクションであれば、次回のインターンに参加する学生は30名以下と予想できます。
仮に3月1日までに50名の母集団を獲得したいと計画している場合、その差分を補填するためにはインターンシップの追加開催や場合によってはインターンシップイベントへの追加出展などを計画できるわけです。当たり前のことのように感じられるかもしれませんが、従来は3月1日にエントリー数を確認して、不足していればそこから慌てて会社説明会の開催日程を増やしたり、追加で合同企業説明会に参加するなど、エントリー数を見てからのアクションが中心となっていました。
インターンシップを計画する際には、3月1日までにインターン参加者から何名のエントリー者を獲得するか目標人数を明確に設定し、学生のリアクションを管理しながら票読みしていくことが重要になります。採用活動において、もっとも時間を費やす業務が母集団形成です。大学3年生に対して、6月から翌年3月まで9ヶ月間かけてエントリー者を獲得していきます。
インターンシップ参加者を繋ぎとめ、確実にエントリー者を獲得することが重要であり、3月1日までにエントリー数を票読みできていれば、採用広報解禁後の業務負荷が大幅に軽減されます。こちらの企業では、3月1日までに目標数を票読みできた結果、合同企業説明会への出展をやめ、自社説明会も6回から2回へ削減でき、採用業務の効率化を実現しています。インターンシップ参加者への情報配信とリアクションを管理し、早期に母集団数を票読みすることが採用成功の鍵となります。インターンシップ 学生へのフィードバックが重要だ(日本経済新聞)
ICTを活用して採用担当者の負担減
インターンシップ参加者に対する定期的な情報配信やリアクションの把握、学生情報に関する管理業務は採用担当者にとって負担であり、学生の反応が確認できない就職サイトやメールでのやり取りは大きなストレスにもなっています。そこで、エアリーフレッシャーズを活用し、学生への情報発信を一元管理、未読・既読など学生の状況を見える化することに注目が集まっています。
働き方改革が注目される昨今、人事担当者にとっても学生にとっても負荷なく最大限の効果が得られる手法を検討されるのはいかがでしょうか。またEDGEでは、インターンシップ参加者の見える化に加えて、インターン参加者を母集団形成へ導くプログラム設計をサポートしています。